2013年4月24日水曜日

OTC薬の記載内容

アメリカのOTC薬のパッケージに記載されている医薬品情報の書式は、各販売会社によらず統一されている。
どの製品を見ても同じ書式であり、取りあえず、ちっちが持っている3製品を写真で紹介。

まずはWalgreensブランドの鎮咳去痰薬(有効成分:グアイフェネシン)。
写真左は表面、写真右が裏面の医薬品情報部分。


次はProcter & Gambleが出しているオメプラゾール。
同じく写真左は表面、写真右は裏面の医薬品情報部分。


見えにくいので、それぞれ左半分と右半分のアップ写真。


三つ目は日本の製薬会社である佐藤製薬のアメリカ製品。
総合かぜ薬で、配合されている成分はアセトアミノフェン(解熱鎮痛剤)、マレイン酸クロルフェニラミン(抗ヒスタミン剤)、臭化水素酸デキストロメトルファン(鎮咳剤)、塩酸フェニレフリン(鼻腔充血除去剤)。
日本語表記もされているよ(各写真の右半面)。
写真上段右は写真上段左の面を上に一面回転させたもの。
同様の手順で、写真上段右→写真上段左→写真下段左→写真下段右と行き、箱の側面を一周。



アメリカのOTC医薬品情報欄に書かれている項目名は以下の通り。
Drug Facts
・Active ingredient / Purpose :有効成分 / 用途
・Use(s) :効能
・Warnings :注意
・Directions :用法・用量
・Other information :その他の情報
・Inactive ingredients :添加物
・Questions( or comments)? :問い合わせ

日本のOTC医薬品情報欄では、各項目の記載順序や表現が各販売会社によって異なるが、アメリカでは皆この記載順序と表現である。
また、日本のように医薬品と一緒に入っている添付文書は無く、この欄のみである。
上記以外の医薬品情報(作用機序等)については、日本の場合、各社の判断で必要に応じてイラストを用いた説明もなされているが、アメリカではなされていない。
せいぜい医薬品(錠剤やカプセル剤)の写真やイラストが一ヶ所に載っている程度である。

ただ、項目だけでなくその内容までじっくり見てみると、製品によっては専門的な内容が書いてある。
スイッチOTC化したオメプラゾールの注意書き欄「Ask a doctor or pharmacist before use if you are taking」を見ていると、いわゆる併用注意に相当する医薬品の一般名が具体的に載っている(以下に列挙)。
・warfarin、clopidogrel or cilostazol(blood-thinning medicines) :ワルファリン、クロピドグレル又はシロスタゾール(抗凝血薬)
・prescription antifungal or anti-yeast medicines :処方箋薬の抗真菌薬又は抗酵母菌薬
・diazepam(anxiety medicine) :ジアゼパム(抗不安薬)
・digoxin(heart medicine) :ジゴキシン(心臓病治療薬)
・prescription antiretrovirals(medicines for HIV infection) :処方箋薬の抗レトロウイルス薬(HIV治療薬)

また、佐藤製薬の総合かぜ薬の「Do not use」にも具体的に以下のように書いてある。
・アセトアミノフェンを含有する別の薬剤と併用しないで下さい(処方箋薬、非処方箋薬を問わず)。
・MAO阻害剤を服用している場合。

医薬品の特徴から考えると当然の対応なのであろうが、一般人向けのOTC医薬品の情報欄に具体的な医薬品名や作用名が載せてある事に対して、日本の注意書きとの違いを感じた。
あと、臭化水素酸デキストロメトルファンとMAO阻害剤が併用禁忌である事や、その他の成分もMAO阻害剤と相互作用がある事を踏まえた旨の注意書きは、日本の風邪薬では見られないような気が…

とまぁ、こんな具合です

2013-04-24 10:33

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